96　廬山寺

　京都御苑のそば、梨木神社の東隣に、廬山寺（ろざんじ）という寺がある。

　もともとは紫式部の邸宅跡で、源氏物語をはじめとするすべての著書がここで書かれたという。

　天慶元年（938年）に慈恵大師良源（正月三日に没したため元三大師とも言われる）が創建。

　元亀2年（1571年）信長の焼き討ちをまぬがれ、この地に移転された。

　皇室との関係も深く、本堂などは仙洞御所から移されたもの。

　慈恵大師の古文書をはじめ、国宝・重文も数点所蔵する。

　源氏の庭は昭和の名庭と言われる。

　白砂と苔の模様が海と陸にも見えるし、苔が絵巻物の雲にも見える。

　6月下旬から9月にかけては紫式部にちなんだ紫のキキョウが庭に映える。

　源氏の庭の反対側にも緑深い庭がある。

　忘れられたように人がいないが、こちらの庭もなかなかのものである。

交通アクセス

京阪鴨東線「丸太町」より徒歩12分、「出町柳」より徒歩10分
市バス　1、3、4、17、37、59、205、快速205系統「府立医大病院前」より徒歩3分

※拝観料：大人400円
※駐車場あり