木屋町二条に写真のようなレトロな建物がある。島津製作所の創業地にある島津創業記念資料館である。南北2棟の建物は国の登録有形文化財。明治時代、世界最先端の科学技術がこの地に集積していたことを偲ぶことができる。
明治維新の東京遷都で京都は衰退の危機に瀕したが、京都府はこの地一帯に矢継ぎ早に産業諸施設を建設する。
創業者島津源三も仏具製造業の傍ら近くの工業試験場に通い詰める。そして近代理化学の可能性に目覚め、明治8年に創業。ちなみに薩摩の島津氏とは血縁は無く、源三も京都出身とのこと。
展示物は専門的すぎて我が輩には難しいが、X線装置、起電機、各種の分析器具、測定装置等多岐にわたる。
各種展示物は手作りチック丸出しだが明治時代からこのようなものが日本で作られたとはちょっと驚きである。明治時代の日本人の進取の気質を感じることができる。
蓄電池の一大ブランド、GSバッテリーは2代目島津源三の頭文字だとか。なんともべたな由来だったのである。
もちろん、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の展示もある。
建物の南側には、島津製作所創業の碑がある。
地味だが奥の深い、穴場スポットとしてお勧めである。
交通アクセス
地下鉄 東西線「京都市役所前」より徒歩2分
京阪電鉄 本線「三条」より徒歩7分
市バス・京都バス 系統多数「京都市役所前」より徒歩2分
※入館料：大人300円（水曜・年末年始閉館）