嵯峨野の奥、鳥居本や化野念仏寺周辺も紅葉時期は大勢の人が訪れる。 嵯峨野の奥、鳥居本や化野念仏寺周辺も紅葉時期は大勢の人が訪れる。
その動線から少し東に秘蔵の紅葉スポットがある。
それが護法堂弁財天であり、バス停「護法堂弁天前」からすぐである。
「天女」と書かれた扁額の鳥居をくぐるともうそこは紅葉の別世界。
五山送り火の一つ、鳥居形が点火される曼荼羅山の麓に位置する。曼荼羅山は万灯籠山、仙翁寺山（せんおうじやま）の異名を持つ。
山頂にはかつて仙翁寺があったが現在は廃絶している。この護法堂弁財天は仙翁寺の一部とも言われているが詳細は不明である。
ナデシコ科の多年草、仙翁（センノウ）花はこの付近が原産地らしいが現在は絶滅危惧種に指定されている。
紅葉は紅、橙、黄、黄緑のハーモニーが素晴らしい。時を忘れていつまでも眺めてしまう。
地元では「嵯峨の弁天さん」と親しまれているが、観光的には無名でほとんど人はいない。
紅葉も素晴らしいが散ると今度は一面の散り紅葉の絨毯になる。
清浄な竹林から出た湧き水が随所に見られる。
分厚く苔むした石（手水鉢？）にモミジが散り緑と赤の対比が見事。
一時、俗世間を忘れ仙人になった錯覚を覚える。
竹林と杉林に囲まれた静寂の空間。
ここを訪れた日の野々宮の竹林、嵐山のメインストリートは初詣客のように見渡す限りの人混みであった。
このスポットはそうなって欲しくないものである。
所在地：右京区嵯峨鳥居本一華表町
交通アクセス
JR 山陰本線（嵯峨野線）「嵯峨嵐山」から徒歩15分
嵯峨野観光鉄道「トロッコ嵯峨」「トロッコ嵐山」からそれぞれ徒歩15分
京福電鉄 嵐山本線「嵐電嵐山」から徒歩17分
京都バス 62、64、72、74、84、94系統「護法堂弁天前」から徒歩1分
※境内自由