429 得浄明院(京都市東山区)

 知恩院に近い、華頂女子中学に隣接した目立たない場所に、得浄明院という寺がある。

 善光寺の京都別院で普段は非公開であるが、花の綺麗な4月下旬〜5月中旬にかけて特別公開される。

 もともとは安土桃山時代の西光寺が前身で有り、その後知恩院の華頂殿が置かれていた。

 長野善光寺参りが遠路であることから明治27年(1894年)に京都別院として建立された。

 本堂の真下に戒壇(かいだん)がある。真っ暗で何も見えない中、回廊をまわり錠前に触れる戒壇めぐりはぜひ行って頂きたい。

 境内は美しく手入れされており、四季折々の花木がしつらえられている。

 建物や装飾品には知恩院の月影杏葉紋(浄土宗)、菊紋(皇室)、三つ葉葵紋(徳川家)に善光寺の立葵紋が混在している。

 何と言ってもこの時期の花は、イチハツをはじめとするアヤメ科の花であろう。

 千株以上植えられており、とても華やかだ。


所在地:東山区林下町3-459

交通アクセス
地下鉄 東西線「東山」から徒歩5分
市バス 系統多数「知恩院前」から徒歩5分
    系統多数「東山三条」から徒歩6分

※拝観は春期特別公開時のみ(有料)


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