523　清水焼の郷会館（京都市山科区）

　東山の東の麓、山科の川田エリアに、京焼や清水焼を生産する清水焼団地がある。作家や窯元、陶芸材料の店など60件以上の事業者が集まっている。

　その中心部に清水焼の郷会館がある。

　かつては京焼・清水焼工芸館という名称であったが、6年ほど前にリニューアルされた。

　一階は展示スペースがあり、団地内で制作されている作品が展示されている。季節ごとに展覧会も催されているようだ。

　毎年10月に催される大陶器市は大変賑わうが、普段は驚くほどひっそりとしている。中で係の人に聞くと散策地図をくれ、そのときに買い物が出来る店舗や見学できる施設も教えてもらえる。

　京焼や清水焼は他産地にあるような原料の土から派生したものではなく、京都で制作され京都らしい意匠を持つものとされている。天皇家や公家、大名からの要請で発展してきた。

　そのため、作家によって各地から取り寄せる陶石や陶土などの原料も違い、多種多様な作風が特徴である。

　団地内は見学や体験も出来るところも多いが個別に予約は必要だ。買い物できる店舗も多く、一件ずつ見て回るのも楽しい。思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれない。