525　淀緑地公園［淀水路］（京都市伏見区）

　3月上旬、まだまだ肌寒い時期にまばゆいばかりの桜に出会える場所がある。

　場所は伏見区の淀。京都競馬場の南から桂川まで2kmあまり、弧を描くように水路が走っている。

　昔は荒れた景観の水路だった。2002年に地元の方が賑わいを求めて2本の河津桜を植えた。それをきっかけに地域の方が次々と桜を植林し、ゴミを拾い、花を植え、歩道の整備を行ううちにわずか10数年で素晴らしい公園に変貌した。

　今では淀の河津桜として知られるようになる。まだ梅が咲く時期にこれだけの桜並木にであるのは感動的だ。

　これが河津桜。濃いピンクの色彩は青空にも春に多い曇り空にも映える。2月後半から咲き始め、3月上旬から中旬が最盛期になる。

　3月下旬からは入れ替わりにしだれ桜とソメイヨシノが咲く。

　歩道は歩きやすく、あちこちにベンチや東屋なども置かれている。桜の時期は若干だが露店も見られる。

　季節の花も植えられており、春は菜の花もよく見られる。

　風の無い晴れた日なら、お弁当を広げるのも最高だろう。

　公園の整備は現在進行形で進んでおり、今後は春以外も季節の花が楽しめそうである。

　2本の桜から草の根的に始まった運動が地域や行政を動かし賑わいを実現した様は、自分事のようにうれしくなる。