560　福田美術館（京都市右京区）

　渡月橋の少し上流という一級の景勝スポットに、令和元年（2019年）10月に新しく美術館が開館した。福田美術館といい、1500点にも及ぶ日本画を収蔵する私設美術館だ。

　江戸時代から近代にわたる、琳派、狩野派、京都画壇を中心に円山応挙、長沢蘆雪、狩野山楽、渡辺始興、伊藤若冲、橋本関雪、与謝蕪村、葛飾北斎、竹内栖鳳、上村松園、竹久夢二、横山大観ら蒼々たるコレクションを誇る。

　館内は3つのゾーンに分かれており、京都画壇を中心とする近代絵画、琳派、狩野派、若冲、北斎らの江戸時代の絵画、それと企画展示ギャラリーである。とにかく見応えがある。

　最新の美術館だけに、高透過率ガラスに最先端の照明システムを取り入れておりとても鮮やかで鑑賞しやすい。じっと絵画を見ていてガラスに頭をぶつけてしまった（笑）。うれしいことに大抵の作品は写真撮影も許可されている。

　敷地には嵐山を借景にした現代的な水景庭園がある。

　ミュージアムショップとは別にカフェもあり、美術鑑賞の余韻に浸りながら贅沢な景色を堪能できる。

　さて、結論から言えば福田美術館はやばい。日本画に興味があるならここは必ず訪れるべき場所である。

　嵐山の新名所と言って良いだろう。散策ルートの一つの候補に入れていただきたい。