出町柳の鴨川デルタと下鴨神社の間、下鴨神社の一の鳥居の横にとある邸宅の入り口がある。 出町柳の鴨川デルタと下鴨神社の間、下鴨神社の一の鳥居の横にとある邸宅の入り口がある。
旧三井家下鴨別邸といい、その名の通りかつての一大財閥、三井家11家の共有の別邸として建てられた。
重要文化財でもあり、数ある近代建築でも格調のある大規模屋敷として知られる。内部の見学は文化財保護の観点から素足やストッキングは禁止である（受付で靴下は販売されている）。
建物は随時増築や移築によって拡張され、江戸、明治、大正期の造作が味わえる。主屋1階の座敷には大正ガラスを活かした障子が開放的で、採光と美しい庭を際立たせる。夏場は風鈴の音色も響き、いつまでも眺めていたくなる。
2階の座敷や3階の望楼、江戸時代の茶室は普段は非公開で、イベント時や貸し切り利用で見ることが出来る。時期によっては食事付きでライトアップ等のツアーもあるようだ。
案内の人が随時解説をしてくれる。三井家にまつわる史料も多く展示されている。
原在正のクジャクの杉戸絵、大正期の浴室や洗面台、花と掛け軸を設えた床の間など見応えがある。
一周回ってもそのまま過ぎるのはもったいなく、何度も見て回りたくなる。2ヶ所の坪庭も趣深い。
池泉回遊式庭園が屋敷の南部に広がる。滝石組から水音が響き、木立に囲まれた癒やしの空間である。
ベンチもそこかしこにあり、気に入った場所で眺めながら過ごせる。なお、夏場は蚊に刺されるので注意しよう。
春はユキヤナギ、ヤマブキ、ツツジ。初夏はクチナシ、アジサイやキキョウが庭園を彩り、散策も楽しい。
庭園の西側にあるあじさい園は時折無料開放されるようだ。
梅雨が明けて夏になるとハス、サルスベリが咲き出す。秋は紅葉が美しい。
まだ一般公開されて10年ほどなので、見学者も少なく穴場のスポットと言えるだろう。
所在地：左京区下鴨宮河町58-2
交通アクセス
叡山電鉄 叡山本線「出町柳」から徒歩5分
京阪電鉄 鴨東線「出町柳」から徒歩6分
市バス 1、4、205系統「新葵橋」から徒歩4分
市バス 37系統「葵橋西詰」から徒歩5分
市バス、京都バス 系統多数「出町柳駅前」から徒歩6分
※休館日：水曜（祝日の場合は翌日振替）、年末
※入館料：大人500円