今回は個人的に忘れられない昨年訪れたお寺の紹介である。 今回は個人的に忘れられない昨年訪れたお寺の紹介である。
大徳寺の広い境内の一角に佇む龍源院（りょうげんいん）という塔頭寺院である。大小5つもの枯山水の庭園がある。
大徳寺の塔頭寺院は4つの派があるが、ここは南派（龍源派）の本拠である。写真の表門をくぐると左手に参道と唐門、右手に庫裏と拝観受付がある。
室町時代の文亀2年（1502年）に能登の畠山義元、豊後の大友義長らが東渓宗牧（とうけいそうぼく）を宗祖として創建。
書院の南にある石庭は、通称阿吽の石庭と言われる。
手前（東）が吽の石、奥（西）が阿の石で共にかつて豊臣秀吉が建てた聚楽第に用いられた石だという。
庫裏と方丈の間にも石庭がある。東滴壺といい、わずか4坪で日本最小の庭園とのことである。
あの重森三令の弟子、鍋島岳生が作庭した。現代の坪庭の傑作と言われる。
表門と唐門、方丈は室町時代の建立当時のもので重要文化財。本尊は創建よりも古い鎌倉時代の釈迦如来像でこれも重要文化財である。
書院には狩野探幽の達磨図、種子島銃、秀吉と家康が実際に対局した四方蒔絵碁盤と碁笥（ごけ）などなかなかに貴重なものが飾られている。
方丈の南庭は一枝坦（いっしだん）と呼ばれ、昭和に作庭された白砂と苔の枯山水。
大海原を模した白砂に、苔で丸く象った亀島、奥の背の高い石組みの蓬莱山、右奥の石組みの鶴島を表す。
さて、事件はこのとき起きた。我が輩は方丈の北庭を見るために外廊下を歩いていた。方丈西の苔庭、鶏足山と開祖堂に見とれて廊下上部の柱に頭をぶつけ、バランスを崩して膝から崩れ落ちてしまった。何と膝の骨折である。
激痛で動けなくなった我が輩はお寺の人に救急車を呼んでもらった（そのまま1ヶ月入院を余儀なくされた）のだが、何としても北庭を見なければと腕だけで這いつくばって方丈北側に出た。
この北庭は絵師でもあり作庭家でもあった相阿弥によって築かれた、室町時代を代表する苔庭の龍吟庭（りょうぎんてい）。刮目せよ、これは我が輩の魂の写真である。 所在地：北区紫野大徳寺町82-1 交通アクセス ※大人400円。
市バス 1、12、101、102、204、205、206系統「大徳寺前」から徒歩1分
※駐車場は大徳寺の駐車場を利用