丹波高原のふもと、とんでもないところに丘のベルファームというカフェがある。 丹波高原のふもと、とんでもないところに丘のベルファームというカフェがある。
ひょんな縁から、開業の1年前より関わっているが、山羊舎を独力で改造し、野生のイノシシが跋扈する広い敷地を中古の重機で整備するなど、尋常ではない強烈な思いでやり遂げ、昨年春に開業。
オーナーは映画監督・脚本家の奥さん、元俳優のご主人という異色のコンビである。
場所は国道から外れた府道を走り、とある交差点を西に折れ、離合困難な農道を500m走り、最後は未舗装道をL字型に曲がりながら300mほど行くと、赤い屋根のカフェに出会えるはずである（分かるかっつうの！）。
ここは一見さんお断りではない。だが立地条件から常連客に連れてもらわないと来ることは困難である。事実上の会員制のようになっている。
ほとんどの人は一目でファンになり、口コミで少しずつ賑わってきている。お客さんも品のある中高年のマダムが多い。
店内は、山羊舎とは思えない芸術的な空間。ベトナムの高度な刺繍絵をはじめ精巧な切り絵、上質な絵画とインテリアに囲まれ、クラシック音楽が静かに流れる。
敷地はたくさんの木々が植えられ、散策やテラスで憩うのにも良い。手作りの大文字山もあり、これは8月下旬の音楽イベントで点火するが「遅れ火（おくれび）」と言う。また、こだわりのトイレはぜひ見ておこう。
気さくで上品なご夫婦との会話は必須である。このカフェを作った思いや、ともに大病を患ったこと、テレビで見たフランス人を当てもなく会いに行ってチーズの作り方を習った話など、話は尽きない。
手間暇をかけたランチコースが人気だが、限定5食なのですぐに売り切れる。まあ、気がつくと10食提供したりとアバウトではある。
使う水はむろん、体に優しい素材と地元の産品にこだわっている。そのときだけの思いつきのメニューも多い。定期的に音楽コンサートなど多くの催しも開催される。
本当に教えたくない、超A級の裏道スポットである。
メモ
所在地：京丹波町中台桜梅71-2
定休日：月〜木曜（祝日は営業）、冬期休業（年末〜4月初旬）
TEL：0771-86-0900
営業時間：11:00〜ご夫婦の気力が続くまで
主なメニュー：コーヒー 550円、ランチコース（要予約）950円〜、ねぎピサ 600円、
丹波ラスク 300円など
交通アクセス：京都縦貫自動車道（京都丹波道路）「丹波IC」より車で約15分
西日本JRバス 「九手神社前」「桧山」よりそれぞれ徒歩30分（遭難するのでお勧めしません。）
※駐車場あり
※店内禁煙