565 鬼そば屋<そば/丹波-福知山>(京都府福知山市)

 福知山市街地から国道175号線を北上、雲原という地区に差し掛かる。与謝野町へ入る与謝トンネルの手前にぽつんと飲食店がある。鬼そば屋といい、太くて堅い十割そばを出す店である。

 江戸時代、この道は宮津藩の参勤交代道で雲原宿に殿様が来た際に、どじょうの天ぷらとともに出されたのが鬼そばだという。付近の大江山には鬼伝説があり、鬼にちなむ名物はいろいろあるが、ここのそばは堅く、かたいものをこわい(強い)と表現する。そのこわいから鬼が連想されて、鬼そばと言われるようになったという。

 店内はテーブル席、座敷、小さなカウンターとあり、田舎風のほっこりとする佇まい。

 現在は七代目の店となるが、一時廃れた地元のそばを再興し、化学調味料や不自然なものを一切廃し、地元の素材で昔の製法でこだわりの鬼そばを供する。

 近年は太い鬼そばと対極の細い七姫そばもメニューに加わり、食べ比べるのもいい。様々なバリエーションや定食、変わりメニューもある。

 写真は一番人気のとり天そば。すっきりとした冷たいつゆに、太くて堅いそば。上には大きなとり天が3つ。そばは堅くて歯ごたえがあり、香りもよい。とり天は自家製の麹で処理してあり柔らかく、衣もべたつかず食感が良い。つゆは優しい味で全て飲み干せる。

 とにかく自然で真面目に作ってある。食材そのものの美味しさが伝わってくる。

 味も良いし、体の清涼剤のようなすがすがしいそば。昼間しか開いていないがドライブの合間に立ち寄っていただきたい。


メモ

所在地:福知山市雲原1248
TEL:0773-36-0016
定休日:火曜、水曜(祝日は開店)
営業時間:11:00〜15:00(売り切れ次第閉店)

主なメニュー(税込):とろろそば 1,100円、とり天そば 1,250円、野菜天そば 1,200円、
           京丹波鹿そば 1,650円、薬味もりそば 1,250円、なな天丼 700円など

交通アクセス:
福知山市街地から車で175号線経由で約25分
※店内完全禁煙

※駐車場あり


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