デジタルカメラが銀塩（フィルム）カメラより売れているという。かくいう我が輩もデジカメはこれまで3台も買ってきている。そのデジカメで、我が輩は大いなる不満がある。
それは、星の数ほど商品が出ているのに、ズームにしろ単焦点にしろ広角撮影ができるデジカメがほとんど皆無なのである。派手な広告文句で10倍ズームなんて言っているが、ほとんど価値を感じない。
なぜなら、我が輩は望遠撮影よりも広角撮影をする機会が圧倒的に多いのである。我が輩が所有する一眼レフの標準レンズは28〜105mmのものを使っている。その中で28〜35mmの広角域を使うケースは60%くらいに達する。85〜105mmの望遠域は2%くらいしか使わない。はっきり言って、望遠なんて無くても支障はない。
我が輩の撮影ジャンルは、スナップ写真や建物、風景に人物とまあ特殊なものを撮るわけではない。人物のポートレート撮影はもう1本持っている100mmの単焦点レンズを使う。
皆さんも経験はないだろうか。パーティーなんかで記念撮影をするのに、レンズが広角でないためにメンバー全員が入りきらなかったり、建物の撮影で全体が撮れなかったり、風景で広いパノラマ撮影が出来なかったりしたことを。
そう、おそらく特殊な用途でない限り、だれもがもっとも多頻度で使用する画角は広角になるはずである。ところが、デジタルカメラの数多い商品を見ていただきたい。今の時点で35mm相当以下の広角撮影ができるものはほとんどない（わずかにコダックくらい。あとはニコンなどがオプション対応しているくらいか）。
詳しいことは分からないが広角レンズとそれに合うCCDを開発するのはコストが掛かるのであろう。また、派手にズームの倍率を全面に出した方が、売りやすいのだろう。昨年キヤノン（キャノンは誤用）がパワーショットというデジカメを出したとき、それは28〜70mm相当の広角ズームだった。我が輩は「さすがカメラメーカー、写真が分かっている」と勝手に感心したものだが、値段も高かったせいか大して売れなかった。まだデジカメのユーザー層は広角レンズよりも派手なズームに惹かれるということか。
我が輩にとっては35〜350mmの10倍ズームよりも28〜70mmの2.5倍ズームの方が256倍くらい価値があるのである。このサイトの取材は建物の外観や内部、メニューの撮影など広角での撮影が必須なのである。
デジカメのメーカーにお願いである。28〜70mm、いや無理なら28mm相当の単焦点でもいいので、質の高いコンパクトなデジカメを発売していただきたい。すぐにでも我が輩は買いに走るであろう。