41 安物プリントの大罪

 

 街角や地下街、ショッピングセンターなどによく写真の現像屋さんがあると思う。皆さんも利用されたことはあると思う。このプリントショップに常々思うことがあるのである。

 0円プリントとか、同時プリント無料というのがいまや普通だが(中には無料の上に新品のフィルムまでくれる店もあるが)、この現像の品質がとんでもないのである。いや、これは言い過ぎだがひどいところが結構多いのである。

 色調が変だったり、人物がつぶれていたりしても平気である。無料だから当然なのだろうか。タダほど高い物はないという格言があるが、我が輩なんかはがっかりする。だからもう長いこと無料プリントの店は利用していない。

 危惧するのは、フィルムカメラの画質が世間一般には誤解されているのでは無かろうか。まあ、レンズ付きフィルムなんかはそもそも用途が違う(コンパで軽いノリで撮るとか、観光地などで緊急用に買うくらい)から比較にならないが、コンパクトカメラでこの程度の画質なら普及型のデジカメで撮った方がよっぽど綺麗に見える。だから世間は「フィルムカメラなんてマニアかプロが使うもの」と思いこんでいるような気がするのである。

 本来、フィルムカメラとデジカメの画質は今のところフィルムカメラの圧勝である。見比べたら誰でも分かる。

 デジカメが一気に普及したのは、皮肉なことに質の低い現像屋のおかげかも知れないのである。

 メモ用として割り切るなら別だが、多少なりとも綺麗な写真を指向するならやはり信用のおける現像屋さんに出すべきである。ではどこがそういう店かって?我が輩もはっきりとした基準はないが、例えば色調がおかしかったら何度も焼き直してくれるとか、トリミング(ネガやポジの任意の部分を拡大して焼いてくれる)指定が出来るところならまずは合格ではなかろうか。

 だいたい、無料プリントはもらっても結構分かってしまうのである。サイズも小さいし、色が妙に濃かったり偏っていたり。別にそれでその人に悪い印象を持つわけではないが。

 少なくとも友人に結婚式の撮影を依頼されたときくらいは、少しお金を出してまともなお店で、L版以上のサイズでプリントしてあげよう。さもないと、一生恨まれることになるかも知れませぬぞ。


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