もう10年近く前のことだろうか。あるそば屋でそばをすすりながらお酒を注文したときのこと。主人が「コップに入れて出そうか、その方が得だよ」というのである。このとき我が輩は意味が分からなかった。徳利（お銚子）に入れようがコップに入れようが1合は1合じゃないか。別に軽い気持ちで頷いたのである。
最近、この意味が分かった。居酒屋などで出されるお銚子の1合はなんと8勺（0.8合）にしかならないのである。お品書きに1合と書きながら詐欺ではないか。そしてほとんどの飲食店では1合といいながら8勺程度のもので済ましているのである。こんなふざけたことが許されてもいいのだろうか。いいや、我が輩はゆるさーんのである。8勺なら8勺で正直に言えばいいものを。
そこで今回我が輩は、正しく1合が飲めるよう、読者諸君にも行動を要請する。
題して「正一合作戦（せいいちごうさくせん）」である。なお（しょういちごうさくせん）と読むと敗色イメージ濃厚なので注意されたい（分かったあなたはディープですな）。
具体的な作戦を伝授するので、あなたのレベルに応じて活動していただきたい。
初級編）新聞の投書欄に投稿し、読者に問題提起し、世論づくりにはげむ
根暗なイメージがあるが意外に効果がある。特に△S△HI新聞はこの手の運動が好きそうである。
中級編）注文するときには必ず「この店の1合は正1合ですか」と確認する
店側に直接プレッシャーを掛けるのが目的である。店側が開き直ったら効果がないのが難点。嫌みにならないように爽やかに言おう。
上級編）きちんと1合入る「マイ徳利」を出し、「いや〜私はこれでないと酔えないもので、これで出してよ」と頼む
普通の徳利ではなく、キティちゃん徳利やドラえもん徳利（あるんか、そんなもん？）なんかを使うと、仲間内でウケも狙えて一石二鳥である。しゃれの分かる店なら通用するかも知れない。個人的にはボーリングピン徳利、コカ・コーラ瓶徳利、バーバーママ徳利なんかがお勧め。
番外編）出てきた酒をメスシリンダーで量り、足りなければ「どういうつもりじゃ！われ、どこに1合入っとるんじゃ」と凄む
インパクトはあるが、一歩間違うとブラックリスト行き。それにメスシリンダーで量っている図はとても不気味である（量った後の酒は飲むのか？）。
さあ、明日から作戦開始！である。