資格商法が大いに隆盛を誇っている。テレビのコマーシャルは言うに及ばず、新聞や雑誌、街角の広告などほとんど見ない日はない。
終身雇用があてにならないのと、不景気が重なって「何か資格を持たないと」と危惧する人が増えているからだと思う。どんな資格を取るのがトクかという特集記事や、資格取得雑誌みたいなものまであるらしい。
だが、何か我が輩は釈然としないのである。どうも資格を取って安定収入を稼ぐことに視点が行き過ぎているのである。世の中、そんなうまい話は無いのである。本当に資格を取って儲かるなら、専門学校や通信教育なんかやらずに業者自ら資格を取るであろう。それをせずに、赤の他人に広告を打ってまで集客して月謝や授業料を徴収しようとしているのは資格を取ることより取らせることの方がうまみがあるからである。
はっきり言って資格を取ったら楽が出来るとか安定収入が見込めるとか、そんな浅ましい考えでいる限り資格を取る資格なんてないと思う。
資格を取っても、この自由競争時代はプロ同士が競い合う時代である。資格を取る力と、プロとして高いレベルのサービスを提供する力は全くの別物である。その力がない限り（力を磨く気迫がない限り）資格なんか取っても意味がない。自分の力を磨いて、たとえサラリーマンであってもその道のプロとして生きていく気構えを持たないと役に立たないであろう。
我が輩は仮にこういう職種の人に何か依頼することがあっても、金を取る以上プロとして業務に当たってくれる人を評価するであろう。
資格なんて「取っても邪魔にならない」程度に思って丁度よいのである。