資格の話の続きである。まあ、どこかで聞いたこともある話かも知れないが、お付き合い願いたい。
今回は営業力がテーマである。「営業」−あまり人気がない職種に思えるが、皆さんはどうお感じだろうか。かつて、我が輩が就職する際に同世代の希望する職種の人気ナンバー1は「企画」であった。「営業」はかなり下のランクだったと記憶している。どうも世間では営業というとあまり好意的に受け取られていない気がするのである。
しかし企画も結局は営業力がないと役に立たない。それは企画なんてものは基本的に自分のやりたいことである。だから考えるのは難しくない。ところがその企画が通るかどうかは営業力がないと話にならない。
また、「○○士」なんて、どんなに立派な資格を取っても、お客さんを見つけることが出来ないと何もできない。世の中で資格マニアと言われる人でもお客さんがいてなんぼのもんである。圧倒的に供給が足りない弁護士でも同様である。運良く、時代の流れに乗ってたまたまおいしい資格にありつけたとしても、世の中の環境が変わればあっという間に構造不況に陥る。
でも何の資格がなくても、営業力さえあればこういう資格持ちの人達にお客さんを紹介したり、代わりにお客さんを見つけてあげればそれで身を立てることが出来る。時代がどのように変わろうともこの能力が通用しないことはない。
求人誌を見ても分かるが「営業職」は景気や時代に関係なく最も需要のある職種である。
それだけではない。例えば高額な商品を買うときに交渉するのも営業力である。欠陥商品などでクレームを付けるのも営業力、誰かに頼み事するときも営業力、いや、もっと言えばナンパをするのもそうだし、プロポーズだってそうである。
つまり、営業力というのは人生の幅を広げるためにも最強の資格であるとも言えるのである。資格取得に一喜一憂しているヒマがあったら、営業力を鍛えた方がよっぽど価値ある人生を送れる。
我が輩にとってはこの営業力を鍛えることが、他のどの資格を取るよりも優先されることがらなのである。