今や一種の国民服になった感のあるケータイであるが、外国人の目から見た日本人はさらに異様であろう。皆背中を丸めて陰気にケータイ片手にうつむいているのである。
道を歩くときも、電車に乗っているときも常に下を向いてケータイを操作し続けるその様は、罰として辛い業を課せられているかのようである。
当然、本人たちはメールなどで自分の世界に浸っているのであるが、隣同士でメールのやりとりまでしてどうするのだと思うのだが。まあ「メールあんのに何で電話するの？」と言われ、そー来るかぁと思ったものである。
いずれにしてもケータイを操作していないと落ち着かない人種が増殖しているようで、彼らからケータイを取り上げると一種の拷問になるかも知れない。
あえて我が輩は言いたい。「ケータイを封印し、世界を見よ」と。外に目を向ければ流れる景色を愛で、人間ウォッチングで感受性を磨き、広告を観察することで経済と流行を感じることができるではないか。
日本人よ、もっと堂々と胸を張って上を向いて歩こう。