Z-1グランプリ。
さて、何のことか分かるだろうか？F1でもK1でもなければM1でもない。
これはぞうきん掛けの選手権、Z-1グランプリ（発音はズィーワン）である。昨年夏、愛媛県を旅したとき旧宇和町（現西予市）を訪れた。古い町並みが残るその静かな町が何やらざわざわしている。
町の高台の古い木造の校舎を利用したその場所に会場はあった。偶然そのZ-1グランプリを目撃したのである。ちなみに109mの距離をぞうきんを掛ける大会レコードは何と18秒38！決して大規模なイベントではなかったがとても新鮮でおもしろかった。そして感じるものがあったである。
一見ばかばかしいイベントに見えるが、ひたむきにぞうきんを掛けて走る選手の方々がとても美しいのである。
かつては重労働の家事の代名詞だったぞうきん掛けも今や死語になりつつある。100円ショップでぞうきんが束で売られる時代、使い古したふきんやタオルを繕ってぞうきんを作ることもなくなり、ぞうきんの絞り方すら知らない日本人。何か大切な物をぞうきん掛けと共に忘れようとしているのではないか。
ぞうきん掛けは床を磨くだけでなく、心や体も磨くものだったのである。日常的にぞうきんを掛けるのは嫌だが、年に1度、このようなイベントでぞうきん掛けを思い出すのは悪くない。このZ-1グランプリがある限り、ぞうきん掛けの精神は未来の日本に生き続けるだろう。気になるあなたはこの夏、Z-1グランプリに出てみよう。
なお、詳しい模様は近々ブログのほうで紹介しようと思う。