495　西川油店（京都市下京区）

　油小路通を七条通から少し下がると、町家然としたお店がある。

　油の専門店として知る人ぞ知るお店、それが今回の西川油店である。

　創業は天保6年（1835年）で京都でも貴重な老舗だ。油小路通にあるのも何らかの縁か。

　店舗に入ると、所狭しとかつての油絞りや商いの道具が展示されている。どれも使い込まれていて油が染みこんで黒光りしている。

　種子を圧搾して油を絞る道具の仕組みがよく分かる。

　道具の名前が展示されているし、尋ねればいろいろと説明してもらえる。このように現存しているのは珍しいとか。

　かつては種々の油を製造し、卸、小売りを営んでいたが今は製造はしていない。

　　油の目利きは確かで、店内には様々な食用油が売られているが、ごま油が特に優れている。

　一押しは純正とうたわれている濃い色のごま油。買って帰ったが素晴らしい味と香り。炒め物はもちろん、ラーメンに垂らしても、食パンやバケットのトーストにつけてもうまい。

　普段と違う土産にも好適だ。西本願寺や興正寺（京都裏道案内166）も近いので観光の際にはぜひ立ち寄ろう。