大徳寺の広大な山内の一角に、黄梅院（おうばいいん）という塔頭寺院がある。もともとは春と秋の特別公開のみだったが今は通常拝観も実施されてる。 大徳寺の広大な山内の一角に、黄梅院（おうばいいん）という塔頭寺院がある。もともとは春と秋の特別公開のみだったが今は通常拝観も実施されてる。
永禄5年（1562年）に織田信長が父信秀の供養のため創建。信長の死後は秀吉が拡充、併せて墓所として大徳寺山内に総見院（京都裏道案内630）も建てられた。
写真は表門で小早川隆景の寄進によるもの。
表門をくぐると前庭がある。秋は緑の苔と深紅の紅葉が目映い。
書院の前に広がる大きな庭。池泉式枯山水庭園は直中庭（じきちゅうてい）と呼ばれ、秀吉が千利休に命じて作らせた。回遊式で書院の各所、渡り廊下など位置を変えることで様々な表情が楽しめる。
秀吉の千成瓢箪を模した池がある。この日は枯れていたが雨が続くとなみなみと水を湛えるとのこと。
本堂は天正16年（1588年）のもので重要文化財。中の襖絵は毛利家の御用絵師、雲谷等顔（うんこくとうがん）の作でこちらも重要文化財。
その本堂の前に広がる庭園は、破頭庭（はとうてい）と呼ばれ、白砂と背後の苔庭のコントラストが美しい。苔の面に立つ石は聴門石と呼ばれ、釈迦の説法を聞いている様子を表現したものとされる。本堂の北にも枯山水庭園があり、作佛庭（さくぶつてい）と言われる。
本堂と庫裏の間に、石庭がある。閑座庭（かんざてい）と呼ばれる。
建物や廊下、敷地を歩くと多数の茶室、つくばい、灯籠、井戸など様々なものが目に入る。毛利氏、織田氏の墓所や小早川隆景や蒲生氏郷の墓塔もあるがこれらは非公開である。
庫裏は天正17年（1589年）のもので現存する禅宗寺院のものとしては日本最古で重要文化財。写真は庫裏にある台所。
通年公開されるようになり、四季折々の美しさを楽しむことが出来る。なお、特別拝観時は写真撮影が制限されるので気をつけてほしい。
所在地：北区紫野大徳寺町83-1
交通アクセス
市バス 1、12、101、102、204、205、206系統「大徳寺前」から徒歩3分
※拝観料：春と秋の特別拝観は大人800円
※駐車場は大徳寺の駐車場を利用